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技術コラム

耐食性から考える、鉄+表面処理パイプと、ステンレスパイプの比較

パイプを使用する製品設計において、「耐食性」は重要な検討項目です。特に屋外構造物や設備フレームなど、水分や塩分にさらされる環境では、錆びにくさ=製品寿命や安全性に直結します。

その中で、鉄に表面処理を施した「鉄+表面処理パイプ」と、素材そのものが錆びにくい「ステンレスパイプ」は、いずれも代表的な選択肢です。

本記事では、それぞれの特徴やメリット、そして近年の材料価格変動を踏まえた使い分けのポイントを、加工現場の視点から解説します。

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鉄+表面処理パイプのメリット

鉄は加工性・強度・コスト面に優れた金属であり、構造材として非常に広く利用されています。しかし、そのままでは錆びやすく、屋外や湿気の多い環境では腐食の進行が早いという弱点があります。

そこで有効となるのが「表面処理」です。代表的な方法としては、溶融亜鉛メッキ、クロムメッキ、塗装処理などがあり、これらを施すことで鉄の表面を保護し、耐食性を大きく高めることができます。

特に近年では、環境対応型の塗装や高耐久メッキ技術の進歩によって、鉄パイプでも高い耐食性能を持たせることが可能になっています。

ステンレスパイプのメリット

一方で、ステンレスパイプは素材そのものが高い耐食性を持っており、表面処理を行わなくても長期間にわたり錆びにくいという特長があります。これは、ステンレスに含まれるクロムが空気中の酸素と反応し、「不動態被膜」と呼ばれる極薄の保護層を形成するためです。この膜が傷ついても自己修復作用が働くため、塩分や水分にさらされる環境でも安定した耐久性を発揮します。

特に屋外設備、建築外装、遊具など、長期間の安全性が求められる分野ではステンレスパイプの信頼性は高く、見た目の美しさや清潔感を保てる点でも優れています。錆による変色や強度低下の心配が少ないことから、メンテナンスコストの削減にも寄与します。

鉄+表面処理パイプと、ステンレスパイプの比較

従来、ステンレスパイプは鉄+表面処理パイプに比べて価格が高く、コスト面から用途が限られる傾向にありました。しかし、近年の世界的なインフレとともに、ステンレスの主原料であるニッケル価格が急騰。特にコロナ禍以降はキロ単価で8~10倍にまで上昇しており、ステンレスパイプの調達コストは以前にも増して高騰しています。

このような背景から、コストを抑えるために鉄パイプ+表面処理でステンレスの代替とするケースが増加しています。適切な表面処理を選定すれば、用途によってはステンレスに匹敵する防錆性能を確保できるため、産業設備や機械フレームなどでは鉄+表面処理が再評価されつつあります。

ただし、耐食性という観点では、やはりステンレスが圧倒的に優位です。海岸地域や屋外設備、あるいは人が直接触れる遊具などでは、錆の発生が安全面に直結します。特に子どもが使用する遊具の場合、錆による怪我や衛生面のリスクを考慮し、ステンレスパイプが選ばれるケースが増えています。

つまり、コスト重視であれば鉄+表面処理パイプ、長期的な耐久性と安全性を優先するならステンレスパイプという棲み分けが進んでいます。使用環境や求める性能に応じて、どちらの素材を選択するかが重要なポイントです。

鉄+表面処理パイプの切断・穴あけ加工事例

メッキパイプへのバーリング加工+タップ加工

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本事例は、メッキ済み角パイプにバーリング加工とタップ加工を施した事例です。

通常はメッキ後のねじ部にメッキが付着するためマスキングが必要ですが、3次元レーザー加工機でメッキ後に加工することで、手間を省きつつ高精度な仕上がりを実現しました。

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ステンレスパイプの切断・穴あけ加工事例

軽トラック荷台のキャリア部品の脚

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本事例は、軽トラック荷台キャリア部品の脚の製作工程を効率化した事例です。
従来は3本のパイプを溶接して製作していましたが、レーザーで切込みを入れた1本のパイプを曲げて一部のみ溶接する工法に変更しました。その結果、治具の簡素化と溶接時間の大幅短縮を実現しました。

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こちらの記事では、耐食性から考える、鉄+表面処理パイプと、ステンレスパイプの比較についてご紹介いたしました。

鉄+表面処理パイプとステンレスパイプは、いずれも「耐食性」を確保するための有力な選択肢です。

コストを抑えながら一定の防錆性能を確保したい場合は、適切なメッキや塗装を施した鉄パイプが有効です。一方で、長期的な耐久性・安全性・メンテナンス性を重視する場合には、ステンレスパイプが最適です。

当社では、鉄+表面処理パイプと、ステンレスパイプの両方の加工に対応しています。パイプ加工品の調達でお困りごとがございましたら、ぜひ当社にご相談ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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